国会トラッカー
国の規制や制度の変化が「検討→閣議決定→成立→施行」のどこまで来たかを、業種ごとに並べた試作です。制作:株式会社NGraph(2026年10月23日時点)。

← 一覧 農林水産・農林水産委員会

成立した法律

家畜伝染病の発生状況と対策/家畜伝染病予防法の改正に向けた動き

検討・要望
答申
閣議決定・法案
意見募集
成立
施行
いま 成立・施行待ち資料 2件施行 2027.05.01影響 大業種 農林水産
何が変わるか

家畜の伝染病「ランピースキン病」を国が対策する家畜伝染病に加え、検疫を通らずに持ち込まれた肉などの販売を禁止する

家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案

経過(古い順)

  1. 国会・審議会の論点2026.02.01 会期前資料:今国会に法案の予定

    家畜伝染病の発生状況と対策

    家畜伝染病予防法の改正に向けた動き

    (1) 国内での発生状況と対策 家畜伝染病への対策については、「家畜伝染病予防法」(昭和 26 年法律第 166 号)に、 発生の予防及びまん延の防止の措置(殺処分、移動制限等)が定められている。 高病原性鳥インフルエンザの家きんにおける発生は、令和7(2025)年のシーズンでは…

    原文

    (1) 国内での発生状況と対策家畜伝染病への対策については、「家畜伝染病予防法」(昭和 26 年法律第 166 号)に、発生の予防及びまん延の防止の措置(殺処分、移動制限等)が定められている。高病原性鳥インフルエンザの家きんにおける発生は、令和7(2025)年のシーズンでは、令和8(2026)年1月27日までに13道府県18事例が発生し、殺処分羽数は約423万羽となっている。農林水産省に設置された食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会家きん疾病小委員会・高病原性鳥インフルエンザ疫学調査チームは令和7年12月、早期発見・早期通報、飼養衛生管理の徹底、野鳥対策及び過去に発生のあった地域や家きん農場集中地域での対策について提言を行った。豚熱は、北海道を除く全地域がワクチン接種地域となった令和5(2023)年以後令和7年まで年5件程度に抑えられており、ワクチン接種により失われた清浄国のステータス回復の要望が寄せられるようになった。農林水産省は、令和7年6月に策定した豚熱清浄化ロードマップにおいて、飼養豚での清浄化を地域ごとに進め、2050 年を目途として全国での国際獣疫事務局(WOAH)の豚熱清浄国ステータス取得を目指す方針を示している。アフリカ豚熱5については、これまで国内侵入を防げているが、外国人旅行客や国際郵便による畜産物の持込み違反摘発件数が増加している中、アジア諸国で頻発していることを踏まえ、今後も水際検疫の的確な実施が重要である。令和7年6月に公表された「水際検疫の強化について(中間とりまとめ)」では、水際検疫の延長として、外国食材店等への立入検査及び輸入禁止品の廃棄の権限を家畜防疫官に付与するなど実効性のある十分な対応をとることができるよう、家畜伝染病予防法の改正を含めた検討が必要であるとされている。 (2) 家畜伝染病予防法の改正に向けた動き「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律」(令和2年法律第16号)附則第8条には、法の施行(令和2年7月)から5年経過後の検討規定が設けられており、農林水産省は、令和8(2026)年の国会への改正案の提出を視野に、以下の方向性を示している。〇豚熱発生時の殺処分範囲を全頭から感染拡大リスクが高い豚に限定する。〇牛の乳量低下等をもたらすランピースキン病を同法上の家畜伝染病に追加する。〇家畜防疫員の業務の多様化・増加を踏まえ、民間検査機関への豚熱ワクチン免疫付与状況確認検査の委託や当該農場の飼養衛生管理者による豚熱ワクチン接種の実施を可能とする。〇国際郵便による違反輸入畜産物が増加し、国内の外国食材店での販売事例も確認されたことから、家畜防疫官に食材店への立入検査や違反畜産物廃棄の権限を付与する。

    出典:衆議院調査局「各委員会所管事項の動向」第221回(2026年2月)・農林水産委員会・108ページ↗

  2. 成立した法律2026.05.15 法律が成立(施行 2027.05.01・一部施行済み(2026-07-01))

    家畜の伝染病「ランピースキン病」を国が対策する家畜伝染病に加え、検疫を通らずに持ち込まれた肉などの販売を禁止する

    家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案

    以下は AI が原文から書いた解説。各項目を法律案の本文・提出理由と突き合わせ、裏付けが確かめられたものだけを並べている(確かめられなかったものは下にまとめて分けている)。正確な内容は原文で確かめてほしい。

    消える壁・増える義務
    • 違法輸入畜産物の販売者:違法輸入畜産物の国内での販売等の禁止が生じる
    新しくできること・しなければならないこと
    • 飼養衛生管理者が 都道府県知事の研修を受ければ豚熱ワクチンを接種できる
    • 国が 豚熱ワクチン効果測定の検査等費用の二分の一を負担する
    • 家畜防疫官が 店舗等へ立入検査を行い違法輸入畜産物等を廃棄できる
    読み違えやすい点

    豚熱の全頭殺処分義務は全廃ではなく、陽性等必要な範囲に限定される点に注意。

    原文で確かめられなかった項目(AIの解説・未確認)11件

    AI が書いたが、法律案の本文・提出理由・審議の抜粋と突き合わせて裏付けを確かめられなかったもの。誤りの可能性があるので、事実として扱わず原文で確かめてほしい。

    • (対象不明):ランピースキン病の感染牛の殺処分・死体焼却義務が生じる
    • (対象不明):豚熱時の全頭屠殺義務が縮小され陽性等に限定される
    • (対象不明)が 廃棄処分を受けた者の氏名等を公表できる
    • 誰が動くか:家畜防疫官
    • 誰が動くか:飼養衛生管理者
    • 誰が動くか:家畜の所有者
    • 誰が動くか:養豚農場
    • 誰が動くか:牛飼養農場
    • 誰が動くか:店舗等で畜産物を販売する事業者
    • 誰が動くか:都道府県(家畜保健衛生所の獣医師)
    • 審議で出た反対・懸念:佐々木りえ議員が、選択的殺処分後の残存豚の安全判断手順と現場判断のばらつきへの懸念を表明(#6)。徳永エリ議員が、都道府県への注意喚起が現場に届かない可能性と、LSDが届出伝染病で強制措置がとれず拡大したことへの問題提起(#7)。
    業種ごとの影響(AI・要点からの一言)
    • 農林水産:飼養衛生管理者は、都道府県知事の研修を受ければ、当分の間、自分で豚熱のワクチンを打てる
    審議の主なやりとり
    • 2026.05.14・参議院農林水産委員会・坂勝浩(農林水産省消費・安全局長)・政府側
      お答え申し上げます。 ランピースキン病発生当初につきましては、これまで我が国での発生もございませんでしたので、従来の各国に共有されている情報から致死率も高くないといったような特性も踏まえまして、家畜伝染病予防法の体系の中では、委員御指摘のような強制的な蔓延防止措置が講ずることができる法定の家畜伝染病ではなくて、発生した際には都道府県に届け出るべしというような位置付けの届出伝染病というカテゴリーに位置付けていたところでございます。 その後、我が国で令和六年十一月に初発生した際に、その確認されたウイルスの検証を行いました。その結果、従来のアフリカで流行していた株と比較すると伝播力が増しているといったような可能性があったことが分かりました。結果的に、この事後の検証で法的拘束力のある防疫対策が行えない中で感染が拡大したのではないかといったような御指摘を専門家からも頂戴したところでございます。 このため、現在は緊急的に強制的な処分ができる… 会議録↗
    • 2026.05.12・参議院農林水産委員会・鈴木憲和(農林水産大臣)・政府側
      家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 我が国の家畜防疫をめぐる状況を見ると、国内においては、一昨年、我が国においてランピースキン病が初めて発生したほか、豚熱についてはワクチンにより発生が抑制されているものの、科学的知見を踏まえつつ、清浄化に向けて着実に取組を進めていく必要があります。 また、畜産物の輸入検疫については、輸入検疫を適切に受けずに国内に持ち込まれる違法な畜産物が増加し、その持込みの態様も悪質化しており、最近では国内での販売事例も確認されていることから、早急に対策を強化する必要があります。 このため、ランピースキン病の発生予防及び蔓延防止を徹底するとともに、豚熱の清浄化に向けた効果的な取組を進める体制を構築するほか、違法に輸入された畜産物の国内での販売への対応を徹底し、畜産物の輸入検疫を強化する必要があるため、この法律案を提出することとした次第であります… 会議録↗
    • 2026.04.16・衆議院農林水産委員会・鈴木憲和(農林水産大臣)・政府側
      家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 我が国の家畜防疫をめぐる状況を見ると、国内においては、一昨年、我が国においてランピースキン病が初めて発生したほか、豚熱についてはワクチンにより発生が抑制されているものの、科学的知見を踏まえつつ、清浄化に向けて着実に取組を進めていく必要があります。 また、畜産物の輸入検疫については、輸入検疫を適切に受けずに国内に持ち込まれる違法な畜産物が増加し、その持込みの態様も悪質化しており、最近では、国内での販売事例も確認されていることから、早急に対策を強化する必要があります。 このため、ランピースキン病の発生予防及び蔓延防止を徹底するとともに、豚熱の清浄化に向けた効果的な取組を進める体制を構築するほか、違法に輸入された畜産物の国内での販売への対応を徹底し、畜産物の輸入検疫を強化する必要があるため、この法律案を提出することとした次第でありま… 会議録↗
    • 2026.04.22・衆議院農林水産委員会・坂勝浩(農林水産省消費・安全局長)・政府側
      お答え申し上げます。 今回の改正案におきましては、輸出入検疫等に係る家畜伝染病予防法の規定を施行するために必要な範囲で、国の家畜防疫官に、新たに、店舗等への立入検査及び輸入禁止品等の廃棄の権限を付与することとしているものでございます。 立入検査の具体的な実施規模などにつきましては、立入検査の実施規模を推定させてしまうことになりますので、お答えについては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、市中の輸入食材店が多数ある中で、立入検査の対象については、過去の国際郵便物の検査の結果でございますとか従業員等による情報提供により得られた情報を基に適切に選定して実施してまいりたいというふうに考えております。 会議録↗
    • 2026.04.22・衆議院農林水産委員会・広瀬建(農林水産大臣政務官)・政府側
      お答えいたします。 家畜伝染病予防法においては、疾病の性質、発生状況、予防、治療法の有無、飼養頭数等を勘案して、蔓延を防止するため、殺処分等の強力な措置を講ずる必要があるものを家畜伝染病、強力な蔓延防止措置を必要としないものの、早期発見に努める必要があるものを届出伝染病として、家畜衛生部会の意見を聞いた上で指定しているところであります。 ランピースキン病については、我が国では、委員御指摘のとおり、一昨年十一月に初めて発生し、従来アフリカで流行していた株と比較して極めて伝播力が増している可能性が指摘されているところであります。 同病が我が国で再び発生した場合には、早期の封じ込めにより感染拡大を防止することが重要となることから、法的拘束力を持って殺処分等の強力な措置を実施できるよう、家畜伝染病に位置づけることとしたいと考えております。 なお、現時点で同様に家畜伝染病への格上げを検討している疾病はありませんが、引き続き、疾病の性質や発… 会議録↗
    • 2026.05.14・参議院農林水産委員会・佐々木りえ
      ありがとうございます。日本維新の会、佐々木りえです。 家畜伝染病予防法の改正案について質疑をさせていただきます。 今回の改正は、家畜伝染病の侵入防止と蔓延防止を強化するものであり、その方向性については理解しております。 農水委員会に所属をさせていただいて、私の事務所にも農水省から、豚熱や鳥インフルエンザが発生をするたびにその状況がファクスで送られてきます。もちろん補償があるとはいえ、出荷前に殺処分をしなければいけない関係者の皆さんの御心中はいかばかりかと存じます。今回、法改正によって既存の家畜伝染病の蔓延が少しでも防げるように、アフリカ豚熱の日本への侵入も絶対に防がなければいけない、その観点から、まず豚熱について伺います。 今回の改正で、感染が発生しても、これまで義務付けられていた全頭殺処分ではなく、PCR検査などを踏まえ、感染リスクの高い個体に限定する見直しが行われています。もちろん、これまで全頭処分と比較して安全性に問題がな… 会議録↗
    提出理由と施行期日(法案の原文から)

    提出理由:最近における家畜の伝染性疾病の発生の状況や輸入検疫を適切に受けずに持ち込まれる肉製品等の増加とその持込みの態様の悪質化等を踏まえ、国内防疫体制の強化及び効率化のためランピースキン病を家畜伝染病に追加し、豚熱のと殺対象範囲を見直し、及び飼養衛生管理者によるワクチン接種を当分の間可能とするとともに、輸入検疫体制の強化のため輸入検疫を適切に受けずに持ち込まれる肉製品等の国内での販売等を禁止する等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。 附則(施行期日):この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

    出典:第221回国会 閣法35・成立 2026-05-15・審議の抜粋↗ ・ 衆議院 議案情報 第221回(閣法35の経過・本文へ)↗